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第55回日本環境アレルギー学会総会・学術大会

ご挨拶

 日本環境アレルギー学会の会員の皆さまにおかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。この度、第55回日本環境アレルギー学会総会・学術大会の大会長を拝命し、2025年5月31日(土)・6月1日(日)の2日間にわたり、大阪中央区に位置するオービックホールで開催させていただくことになりました。
 本学会は、1970年に発足した職業アレルギー研究会を前身として、1993年に日本職業アレルギー学会として体制が整えられ、2002年に日本職業・環境アレルギー学会と名称が変更されて活動してきました。この職業アレルギーの名称は、1950~1960年代に報告されたコンニャク喘息やホヤ喘息などの職業に関連するアレルギー疾患が数多く認められたことに起因しますが、現在では職場環境が改善されてこれらの疾患の発症も見られなくなっています。また、屋内環境、屋外環境、生活環境、就業環境などの言葉を並べてみると、職業という名を入れなくても「環境アレルギー」という言葉で包括できるという見解をもとに、2024年5月から日本環境アレルギー学会に名称変更となりました。今回の学会は、未来へ向けて新たな出発を踏み出すべく、新名称となってから初めて開催される記念すべき学会となります。
 今後は、我々の生活空間に存在し、時代とともに変遷する環境因子によるアレルギー疾患にフォーカスし、研鑽を積むことによって環境とアレルギーの関係について最先端の知識が得られる学会であることが期待されます。そこで、学術大会のテーマは「変遷する環境因子を知り、アレルギー疾患に挑む」とさせていただきました。
 従来、大気環境としてはSO2やNOxが注目されていましたが、近年では微小粒子状物質であるPM2.5や地域によって異なるVOCとNOxの濃度較差に影響されるオゾン濃度とアレルギー疾患への影響が新たな問題となっています。また、ハウスダスト・ダニ、ペット、カビなどの室内アレルゲンや花粉、たばこ煙などの環境因子の影響もあり、成人喘息やアレルギー性鼻炎をはじめとしたアレルギー疾患は年々増加しているのが現状であり、現代社会における健康問題の大きな課題となっています。本学会においては、これらの環境因子について、アレルギー疾患への影響を網羅的に探求し、予防や治療に貢献することが期待されます。
 今回の学術大会におきましては、メインテーマに基づき、各領域の臨床、研究の進歩について我が国の内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科領域などのトップエキスパートによる講演、シンポジウムを予定し、さらには一般演題発表におきましても活発な討議を行いたいと思います。また、大会形式につきましては、現地でのface to faceとし、環境アレルギー研究に日々研鑽している先生方の交流の場となることを期待しています。
 最後に、本学術大会への多くの先生方のご参加と、日本環境アレルギー学会へのご支持とご協力を心よりお願い申し上げます。

第55回日本環境アレルギー学会総会・学術大会
会長 佐野 博幸
近畿大学病院アレルギーセンター

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